20130328

ホッケースティック論争

甚だ自信が無い。

このテーマを書く資格が私にあるのだろうか?と疑問すら湧いた。

けれど、先ずは自分の為に、ちょこっと読んだだけのWebからの情報を整理しておこうと思う。

ホッケースティック曲線

これを俎上にあげる。
もう少し詳しい図もあった。
縦軸に記されている数字は異なるが、意味するところは同じだ。
過去1,000年から2.000年の気温変化を主に樹木年輪を用いて、その他には氷コア、珊瑚などの記録を活用して復元したもの(Mann,1999)とされている。

地球の気温は1,000年越しに徐々に寒冷してきたが、20世紀になると鋭く上向きになる。ということを言っている。

近年の気温上昇は過去の傾向と全く異なるフェーズに入ったのだと言っているのだろう。

私が読んだIPCCの報告書(IPCC第四次報告書)に、この図はなかった。それ以前に「論争」が起きたのかも知れない。

「論争」とは、このホッケースティック曲線は偽造なのでは無いかという疑念が持たれたのだ。

私はこの図を見て、ペスト禍の遠因を作った中世の温暖化やその後のマウンダー極小期に見られた小氷期が読み取れないことにちょっと疑問を抱いた。

それ程局地的な現象だったとは思えないのだが…。

その辺りは第一次報告書に載せられていた図の方が(かなり誤差を無視しているが)腑に落ちた。

この図の原典を探していたのだが、1日掛かりでようやく当てが付いた。
Climate, History and the Modern World.” (Hubert Horace Lamb , 1995)


「論争」の趣旨はホッケースティックという形は統計的方法(主成分分析)による必然な結果だと言うことだ。15世紀の気温はブリストルコーンパイン(イガゴヨウマツ)の記録だけで構成されているとの批判もあった(私はこの批判の意味が良く分からない)。

その批判があったせいか、第四次報告書には他の数多くの気温変化曲線と共に載せられるようになった。



Mannは訂正の論文を出したが、訂正は出典の誤記だけであり、論文の結果には変更がないと明言している。


ここまで採り上げた曲線を見ると、Mannのホッケースティック曲線は段違いに突出しているものの、20世紀の気温変化が顕著なものであるとする結論に変わりは無いと思える。


だが、
現状の気温データでは、温暖化を証明するには極めて不十分!
に載せられているような数多くの気温変化曲線を見ると話しは別になってくる。

現在より中世温暖期の方が気温が高いという結果が示されている図があるのだ。

今迄の図と合わせて、まとまって表示されているものがあったので、それを示しておく。

一番下の海底コアから推定した海水面の気温変化曲線は、明らかに現代の気温がそれ程特殊で無い事を表している。

問題はこのような経緯を辿ってきたホッケースティック曲線が未だに唯一の気温変化曲線として採り上げられる傾向を持っている事だ。

ただし私はホッケースティック曲線が完全なでっち上げであるという立場を取らない。

むしろひとつのデータとして尊重しようと思う。

だが、Mannのホッケースティック曲線だけが、過去の気温を復元したデータでは無いのだ。

その事は強調しておきたい。


つまり、過去の気温を復元した曲線には、いろいろなものがあり、ホッケースティック曲線はその中で十分確実なデータとは言い難いと言うことだ。

確かに現在得られているデータからは、地球温暖化を結論付けるのはちょっと不十分だと感じる。


だが、だからと言って人為的なCO2排出による地球温暖化が進行しつつあると言う話しは否定されると結論付けるのは早急だ。

単純なCO2悪者論が単純化の行き過ぎであるのと同じように、事態はそれ程単純では無いのだから。

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