行ってきた。
不破大輔さんとは、東京時代に沢山遊んで貰った。25年間くらいずっと共に行動していたのではないだろうか?
玉井夕海さんとは初対面だった。とは言え2006年に『もんしぇん』 という映画を彼女が創り。その世界に魅了されていた。独自の世界を持った方だと感じた。いつか遭うに違いないという予感もあった。
そのお二人が松本まで来てくれるという。これは行かねばなるまい。
女房殿に車を運転して貰い、松本まで行った。
燕が沢山飛んでいるのにはびっくりした。長野市にはまだ燕は来ていない。
会場になっている「温石」は、住宅地の中の、分かりにくい場所にあるという。確かにWebで検索してもおいそれとは出てこない。
こんな道を入って行くのだ。
ライブをやるような店があるという雰囲気では全くない。
で、何と!これが入り口。
小さな張り紙が貼ってあって、どうやらここで目的のライブがありそうだと言うことは悟った。
だが、これが入り口なのだろうか?
今ひとつ確信が持てない。
第一扉らしいものも見られないではないか。
よく見ると、門から石畳が右に延びている。
迷う。
行ってみよう。
なかなかの風情だ。
だがこの先には四阿のようなものがあるだけで、ここを入る訳ではないようだ。
更に奥には民家のような家がある。
また門に戻って貼ってある紙をつらつらと眺める。
間違いは無いと想うのだけれどなぁ…。
中から人が出て来た。
「ここ、今日ライブがあるんですよね?」
「はい、もうすこしお待ち下さい」
「はい、はい 。分かっております。まだ早いのですよね」
開場1時間くらい前に下見で来ていたのだ。
待つ。
いよいよ。だ。
玉井夕海さんが言うには、今日のライブは「対話」だという。
何か喋らされるのかな?
少し緊張して始まりを待つ。
照明が全て落とされた。
真っ暗闇のなか、玉井さんの唄と不破さんのコントラバスが「対話」を始める。
即興色が全面に出た演奏だ。
濃密な時間が流れる。
そうだ。こんな時間と音の流れの中に、かつて私は身を置いていたのだ。
玉井さんのアコーディオンと唄、不破さんのコントラバスが絶妙な絡み合いを見せる。
彼らの心地良い「対話」に身を委ね。耳をそばだてる。
……。いえぃ!
来て良かったと、心から思えた。
お客さんを含め。皆と共有するこの濃密な時間は本当にかけがえがない。
同じ時間を過ごすことができるのは有り難いことだ。
終わった後、少し話をしたくて、ぐずぐずしていると、お店の方が料理を持ってきて下さった。
ライブの最中にもスープを出して下さったのだが、ここの料理は絶品だ。とても穏やかで優しい味を提供して下さる。
ライブで楽しませて頂いた上にこれでは、余りにも甘えすぎていると感じたが、甘えさせて頂くことにした。
その後不破さんと呑みに。
私と女房殿は酒を呑まないのだが、不破さんには呑んで貰わなければ。
彼と逢ったのは5年振りくらいだろうか?その時も松本だった。その時も5年振りくらいだった。
こんな私に付き合って下さって、本当に有り難い。
春も盛り。
松本の街は花盛りだった。
とても幸せな気分で帰途についた。
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