北緯34度6分 東経139度24分付近海域において、4月18日0810頃、海水が変色しているとの情報がありました。地図に落としてみると、左の+の辺りになる。
丁度昨日群発地震が起きた所だ。
情報の出所は海保だ。確かだろう。そう判断した。やはり噴火はあったのだと一時騒然となった。
ところが昼過ぎにこれが誤報であるとの報告が成された。三宅島の東だと言うのだ。
【緊急情報】訂正:変色水情報(三宅島東方)(現在リンク切れ)
こうなると話は違ってくる。
急遽右のような図も作られた(千葉達朗氏による)。
どうやら火山活動を示す変色水域ではなさそうだ。
ならば何だったのだろう?という話になる。
海底地滑りか?
三宅島の火山斜面に位置している。地滑りはありそうだ。
など、Webで情報交換をしていると、続報が入った。
変色水情報(三宅島東方)
その後の調査によれば、海水の変色は存在しません。
存在しませんという語は、日本語では(変色水域が)存在するの否定となる筈だ。
だが、その後の調査時にはと言う意味なのだと主張する人が出て来た。曰く「見た人はいるのだ」。
変色水域があって、それが消えたのか、そもそも変色水域は存在しなかったのか、全く分からなくなってしまった。
そもそも地質学が科学であるならば、「ぼくは見た。私は見た。」は証拠になり得るか?
私としては地質学は科学であって欲しいので(根拠は願望である)なり得ないという立場を取る。
だが、現実には目撃談が証拠のひとつの様に扱われる事が多いのが現状なのだ。
この辺りの確認に追われている間に、報道機関の中には
三宅島:海が緑色に変色 警視庁
と報道するところも出て来た。報道されるとそれが事実として扱われるのがこの世の常だ。
これは大変困る。
錯綜する情報に右往左往し、辿り着いた結論に近かったのは、日経新聞の記事だった。
三宅島近海、海面が変色 地震との関連不明
8:10頃:警視庁が海域がエメラルドグリーンになっているのを目撃し、それを報告。
11:30頃:海保が同じ海域を訪れたが変色水域は確認出来ず。
そんなところだろう。
警視庁はきちんと写真を撮っておくべきだったのだ。
それを専門家に見せれば一発だったろう。
Webで幾つかの社の報道に触れる事が出来るようになったからチェックできるが、ひとつしか情報源を持たない人には、三宅島の近くで噴火があったと信じたままになってしまっても、全くおかしく無い。
変色水域が継続的に確認された訳でもなく、三宅島の東でもあり、深すぎるという事もあるので、仮に変色水域があったとしても、火山活動の証拠にはならないだろう。
情報に振り回され右往左往したが、そのお蔭で科学論も議論できたことは収穫と言える。
空しい収穫だが。
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