20130426

地球温暖化予測情報

気象庁が最新の地球温暖化予測情報を発表した。

それを紹介する。

これは、地球温暖化による影響評価、地球温暖化の緩和策および適応策の検討の推進、地球温暖化に関する科学的知見の普及・啓発などに寄与することを目的に、平成8年度から地球温暖化予測モデルの結果を「地球温暖化予測情報」として公表しているものだ。

地球温暖化予測情報 第8巻 (2013年)

今日は1日これにかかりきりだった。

かなり詳しい分析だ。
あくまでもIPCCのシナリオに沿った分析だが、これで温暖化問題は日本独自の解析が成されていないと言うような批判は事実上出来なくなると感じた。

まとめることも考えたのだが、私の力量が足りない。

リンク先のpdfファイルを開いて自分で読んで貰いたい。

最初の部分だけ引用する。

()内は私の注釈です。

--ここから--

地球温暖化に伴う日本付近の気候の変化や極端現象の変化を予測するため、以下のような気候モデル予測実験及び解析を行った。

地球全体の予測は、解像度20kmの全球気候モデルにより行い、日本付近の予測は、この結果を側面境界条件として、地域気候モデルによる力学的ダウンスケーリングの手法を用いて、従来よりも大幅に解像度を高めた5km四方の格子で計算した。これにより、複雑な地形や対流がもたらす気象の変化をより現実に近い形で計算できるため、平均的な気候の変化に加えて大雨等の顕著現象の評価が可能となっている。

(略)

21 世紀末(将来気候、2076〜2095 年を想定)には 20 世紀末(現在気候、1980〜1999年を想定)と比較して、日本付近で以下のような気候変化が予測される。

●気温の将来予測
年平均気温は各地域で3℃程度の上昇がみられるが、北日本の上昇が3℃を超えて最も大きい。季節別では、全ての地域で冬の上昇が最も大きく、夏の上昇が最も小さい。冬は、沖縄・奄美を除いて全国的に 3℃以上の上昇がみられ、北日本や、東日本の一部では 3.5℃を超える上昇がみられる。

(図はクリックすると拡大します。)
年最高気温の20年再現値は2〜3℃程度上昇し、北日本太平洋側の上昇が最も大きい。年最低気温の20年再現値は北日本を中心に2.5〜4℃程度上昇し、北日本太平洋側の上昇が最も大きい。

冬日は各地域で減少し、北日本で減少幅が大きい。猛暑日は東日本〜沖縄・奄美にかけての各地域で増加し、北日本での増加幅は小さい。

(以下、現在の所図表類は省略する。随時入れてゆく予定。…予定であって未定なのだが。)

●降水の将来予測
年降水量は全国と北日本で増加する。冬から春にかけては、太平洋側で降水量が増加する。

大雨や短時間強雨の発生回数は多くの地域で増加する。無降水日数も多くの地域で増加する。

●積雪・降雪の将来予測
年最深積雪はほとんどの地域で減少するものの、北海道の内陸部等の寒冷地では現在と同程度か増加となる地域もある。

積雪、降雪共に、始期・終期における減少が明瞭で、観測される期間が短くなる。積雪はピークの時期が早まり大幅に減少する。

●その他の要素の将来予測
夏は多くの地域で相対湿度が減少する。一方、冬は東日本日本海側を除く北日本から西日本で増加する。

年平均の全天日射量は、北日本で減少する。冬は沖縄・奄美を除いて全国的に減少する。
 
突風や雷雨の発生しやすさを示す大気環境場の指数(エナジー・ヘリシティ・インデックス、EHI2)は、いずれの地域でも不安定の方向に変化する。

--ここまで--

以下延々と続いてゆきます。

さすがにこれでは余りにも不親切だと思ったので、目次を載せておきます。

--

IPCC 温室効果ガス排出シナリオA1Bを用いた非静力学地域気候モデルによる日本の気候変化予測

    本書の要約(PDF:2.2MB)
        表紙
        刊行にあたって
        目次
        本書の要約
    第1章 はじめに(PDF:2.4MB)
        第1節 世界と日本の温暖化の現状
        第2節 地球温暖化の要因
        第3節 地球温暖化予測の方法
        第4節 地球温暖化予測の不確実性
        第5節 地域気候モデルの気候再現性
    第2章 気温の将来予測(PDF:3.4MB)
        第1節 平均と年々変動の変化
        第2節 極端現象の変化
        第3節 階級別日数の変化
    第3章 降水の将来予測(PDF:2.1MB)
        第1節 平均と年々変動の変化
        第2節 大雨や強雨の発生頻度の変化
        第3節 無降水日数の変化
    第4章 積雪・降雪の将来予測(PDF:1.2MB)
        第1節 平均と年々変動の変化
        第2節 季節進行の変化
    第5章 その他の要素の将来予測(PDF:2.2MB)
        第1節 相対湿度
        第2節 全天日射量
        第3節 鉛直安定度
    第6章 近未来予測(PDF:1.9MB)
        第1節 近未来予測の特性
        第2節 各要素の予測
    補遺(PDF:8.3MB)
        1.地域気候モデルNHRCMの気候再現性
        2.全球気候モデルMRI-AGCM3.2における循環場の変化
        3.アメダス等の気候値
    参考文献(PDF:0.4MB)
        参考文献
        謝辞

    全文(PDF:21.1MB)
        (全ての章を1つのファイルにまとめたもの)
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温暖化は気温の上昇という面でも現れるが、気候の過激化も引き起こすものだと言う事を感じた。

1 件のコメント:

nomurahds さんのコメント...

英国気象庁は昨年のクリスマスイブにこれまでの予測を修正して、今後5年間は温暖化しないと予測しています。修正前後のグラフが掲載されている英国紙のURLは以下です。
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-2259012/Global-warming-Met-Office-releases-revised-global-temperature-predictions-showing-planet-NOT-rapidly-heating-up.html

ロイターは温暖化は減速
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE93H05420130418?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

産経新聞は寒冷化
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130417/scn13041708080000-n1.htm

を報じています。