7日間ブックカバーチャレンジ番外1
やはりはみ出した。
前任バトン走者の三中信宏さんへのオマージュを込めてこの本『生物系統学』を紹介したい。
知る人ぞ知る名著である。
地震研時代、キャンパス内にある東京大学出版会迄行き『最新版日本被害地震総覧』と共に購入した。題名と表紙を見て、即決した。
最初は軽い気持ちで読み始めたのだが、それでは全く歯がたたない事をすぐに理解させられた。
系統学が体系的に語られているのだが、その守備範囲は広い。
谷川俊太郎さんの詩から始まり、歴史についての考察を経て、系統が語られる。
それまで何気なく見ていた系統樹が、最節約法などを駆使して作られている数学的なものである事を、初めて理解した。
その構成は帯に書かれている簡略化された目次を示すのが一番だろう。
【主要目次】
第1章ーなぜ系統を復元するのか
第2章ー系統とは何か
第3章ー分岐学─その起源と発展
第4章ー分岐学に基づく系統推定─最節約原理をどのように用いるか
第5章ー系統が語る言葉─分子から形態へ、遺伝子から生物地理へ
独特の語り口で書かれたこの本を、そのコード迄理解するのは、かなり困難な作業だ。
この本とも格闘したと言って良い。
だがとても面白く、熱中して、夢中になって読んだ。
そしてそれは三中信宏さんの幾多の本との格闘の始まりを告げるものとなった。
類書を見ない。
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