このような展開もありうるのではないかと、うすうす予想していたのだが、注文してから1週間と言う予想より遥かに早い今日の午後、iMacがやって来た。
…何もしていない。かろうじてモノを箱から出し、付属品を確認して、繋ぐべきものを繋ぎ、後はマニュアルを見たり、想像を遥かに超えてでかいモニターを眺めたりしている。
今日は歯医者の日だった。簡単な補正をして帰ってくる予定が、歯茎の状態が思いの外悪く、殆ど手術状態だった。いや、手術そのものだった。帰って来てからも3時間ほど出血が止まらなかった。
しかもiMacが来たのは、歯医者から帰って来て10分後。うかうかしていたら間に合わなかったところだ。
歯科医は、なにやら難しい病名を告げた。
わたし自身の不養生の成せる業なのだが、1年前、ぐらついていた歯を自分で抜いて歯医者通いが始まったのだった。きれいに抜いて貰った訳ではない。
歯医者で抜歯する時は、抜けた跡を消毒し、歯槽骨を整形してから縫合を行うのだが、その後処理を行わずに抜けた歯の傷口が塞がってしまっていた。
この未消毒の跡に細菌が入り、それに身体が反応して本来あるべきではない組織を作り始めていたらしい。
その組織が発達し、入れ歯が当たってかなりの痛さを醸し出していた訳だ。膿も醸し出していた。
お蔭でiMacが来ても気分はハイにならずに済んだが、麻酔が切れ始めた状態では幾らわたしでも「早速使いたい!」という気にならない。
コンピューターを買って、これ程落ち着いていた事は未だかつてない。落ち着いていたと言うより気分が落ちていたのだ。起動して各種設定を行う気力が出ない。
とても早く来てくれて大変嬉しいのだが、何もしていない。悲しい。
しかし、でかい…。24inchのモニターはさすがに広く、もしかすると部屋の隅に置かれているTVより大画面かも知れない。まだ使っていないので、この大きさがどれだけの便利さをもたらしてくれるのか分からないが、今のところ、無駄に広いという感じから抜け出せない。
これをひとつの机の上にVAIOと並べて使おうとしていた想像力のなさに恥じ入るしかない。
そしてシンプル!付属品は本体の他、キーボード、マウス、そしてやや大きめのライターほどしかないリモートコントローラー、電源コード。これが全て。
昔の、ごちゃごちゃ配線が机の裏に固まってしまうコンピューターのイメージから程遠い。
考えてみればモニターとコンピューターが一体化しているのだ。その接続コードがない。このシンプルさは気に入った。想像できなかった不明は、これも恥じ入るしかない。
キーボードにアームレストがない事は気になっていたので、汚れて使わなくなっていた市販のアームレストも用意していた。けれど、それを使う必要はないようだ。
非常に薄いため、机がアームレストの役割を充分に果たしてくれる。キータッチもそれ程違和感がない。…勿論未だ使用していないので、実際に使ってみない事には使い勝手は分からない。
これらは嬉しい誤算。
嬉しくない誤算もあった。かつてのAppleのキーボードはkとdをホームポジションにしていた。Winを使っている間も、このホームポジションを忘れないように、jとfをホームポジションにせず、kとdのキーをいつも意識して使っていた。
iMacのキーボードはjとfがホームポジションになっている…。無駄な努力をしてしまった。
その他(これは事前に知っていたが)optionキーとcontrolキーの位置が入れ替わっていたり、バックスペースキーが加わっていたり、とWinユーザを取り込むための変更が成されていた。とは言え、わたしがMacを使っていたのはもう5年も昔の事になるのだが…。
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