20120129

妙に生産的だ

以前、同じタイトルの文章をmixiの日記で書いた事がある。その時は、周りの環境がやけに生産的で騒がしく、わたしはそれに圧倒されていたのだった。

今回は違う。わたし自身が妙に生産的になっているのだ。


2週間程前、Facebookに昔描いた絵をUpした。これが意外な程反響を呼んだ。その絵は『午後の回廊』に載せてある。良い出来だと自分でも思う。大学の後輩から何のソフトを使ったのか?という問い合わせもあった。Painterで描いたものだ。MacがまだPPCの頃、そのソフトを持っていた。後輩もPainterは好きなソフトだと言っていた。過去の絵や文章を紹介している内に、「乗せられた」のだ。また、何か描いてみたくなった。

描くとなったらやはりペンタブレットが欲しくなる。検索したり、twitterやFacebookで相談して選んだのはWACOMのペンタブレット、intuos4 PTK-640/K4。
結果から言うと、これは正解だった。描き心地が抜群に良い。紙に描くようなタッチがある。

ペンタブレットも昔に比べると格段に進化している。高機能な機種には液晶パネルが付いていて、ペンが触れるところに線を描いてゆける。経済的な余裕があればそれに魅了されただろうが、踏みとどまった。

intuos4PKT-640/K4には3つのソフトがバンドルされていた。CorelのPainter Sketch Pad、同じくPainter Essentials、そしてAdobeのPhotoshop Elements。これらはMacとVAIOの両方にインストール出来た。得をした気がした。

これだけでも十分だと思われた。しかし、ドローイングソフトが足りない。デザインもやりたかったのだ。フリーソフトをダウンロードしてみたが、いまひとつ。と言うより、フリーソフトを使いこなせるだけのソフトに対する知識や技術がわたしになかったのだと思う。教則本やHow toサイトが充実している、Adobe Illustrator CS5を買った。
思い切ったのだ!

そこから爆走が始まった。日常が活気付き、今迄殆ど無駄に所有していたMacやVAIO、デジカメ、iPhone、プリンタ(スキャナも付いている!)が蘇った。Facebooktwitter、そして殆ど休眠状態だったmixiも活性化した。画像を主目的とするSNS、Pinterst始めてしまった


それ迄は、確かに怠惰な生活をしていたと思う。1日が長かった。じりじりとしか進まない時間に苛立ちだけを抱いて、一日一日をやり過ごしていた。
けれど今は全く違うのだ。毎日が楽しくて仕方が無い。

身の回りの全てが素材と化している。


よくものを見る事は出来るようになってきたと思う。いろいろなものを様々な角度や距離から見る。そこにはいつも発見がある。

これはEテレで今年から始まった番組『デザインあ』からの受け売りだ。その中で、デザイナーがそうアドバイスしてくれていた。言われたとおりにやっているだけだ。
この番組。とてもセンスが良く、面白い。

今迄も面白いと思って観ていたのだが、絵を再開してから特に意識して観るようになった。面白さが倍増した。

デザインというものを、多彩な角度から切り取り、映像化している。
デザインを観察している。

いろいろなデザインのコップや椅子が次々に映し出される。或いは、セーターや本棚が解体され、並べられる。

日常はデザインに満たされていると言う事に気付かされる。

横断歩道がある。当然信号機は付いている。普通の信号機。時間が来れば青になり、車は止まり人が渡る。渡る人が居なくても信号機は青になり、車は止まる。車の流れは悪くなる。
押しボタン式の信号機というものがある。人が渡る時、ボタンを押すと信号が赤に変わり、車は止まる。それによって、車の流れは妨げられる事はなく、人も安全に横断する事が出来る。
これは「良いデザイン」だと言う。

障碍を持ったひとや、妊婦さん、子ども連れなどを優先して飛行機に搭乗させる。これも良い「デザイン」だと言う。

デザインとは何なのだろう。そう思い始めてしまう。

この例だけではなく、「デザインあ」はデザインというものを新しい角度から改めて見詰めてみる機会を与えてくれる。

昔、アリアドネというサイトが運営していたメーリングリストがあった。その中で、デザインとは何か?と言う事が話題になった事がある。それに対し黒姫のよしはらさん(左の「大気圏」に、宝石のようなBlog『続・黒姫から』をリンクしてある)が成る程!と思うような定義を提出して下さった。
その時は、漫然とそれを受け流してしまった。
デザインという事をまともに考え始めて、その事を思い出した。

残念な事に悲しい事に悔しい事に、わたしはその画期的な定義を思い出す事が出来ないのだ。


大学の後輩は本格的な画像ソフトの使い手だった。買い込んだ教則本を読みつつ、わたしはその後輩から、Illustratorの基本のきから教えて頂いている。
ありがたいことだと思う。本来ならお金を払って教えて貰う内容なのだ。


作業に没頭し、疲れると頭を上げてわたしは考えている。

デザインとは、何なのだろう?


作品は完成していない。

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