20220719

準備だけはできていた

今回の記事は出来ればスマホで開いて貰いたい。Stand.fmはスマホアプリだからだ。

 森哲平さん(moriteppeiで検索して下さい)のStand.fmを毎回聴いている。非常に役に立つ。

7月6日の放送ではSimplenoteの使い方を教わった。このアプリ、実は数年前からインストールしてあった。だが便利さがよく分からず、全く使っていなかった。考えてみればiMacからiPhoneに即座に同期してくれる。これだけでも十分便利なアプリだ。だが、Simplenoteというアプリの便利さはこれだけではなかった。そもそもMarkdownという記法を全く知らなかった。なので、その便利さに気付かなかったのも無理はない。このMarkdown、簡単で実に便利な記法なのだ。早速学習して、基本的な使い方はマスターした(これが実に簡単に出来てしまうのだ)。SimplenoteはこのMarkdownに対応したメモアプリなのだ。なのでこのアプリだけを使って、簡単なホームページくらいは作り上げる事が出来てしまう。これだけの実力を持っていて只。本当に良いのだろうか?とこちらが心配になってしまう程、至れり尽せりのアプリなのだ。

更にSimplenoteでは、各項目毎にURLを付ける事が出来る。これを使えば、iMacで得た情報をiPhoneで他の人と共有する事も、簡単に出来てしまう。

放送を聴いたその日から、SimplenoteはiMacに常駐するアプリになった。ちょっとした情報を得たら取り敢えずSimplenoteに放り込んでおく。それだけでその情報をiMacでもiPhoneでも即利用することが出来る。私のWeb環境は1日で劇的に変化した。

7月16日の放送ではDeepLを用いた、英語の本の読み方を教わった。

DeepLが実力を持った翻訳サイトであることは前から知っていた。だがその実力を十分に生かすだけの機会が訪れず、殆ど使っていなかった。

ここでGoogle lensの登場となる。Googleアプリからカメラアイコンをタップすることで、Google lensはiPhoneでも使える。これも以前から知っていた。だが昆虫や植物の同定を行う事以外には使っておらず、これを用いてtextがコピー出来る事も、単なる知識としてのみ、私の中では存在してた。

この機能、かなり前から知っていたが、日に日に実力を高めている。検索、コピー共に、実に高い精度でこなしてくれる。

知らなかったのはuniversal clipboardという機能だ。

これは例えばiPhoneでコピーした情報を、そのままiMacに転送する事が出来るという画期的な機能だ。

つまり、Kindleで英文の本を開き、iPhoneのGoogle lensでその画面を撮影し、textをコピー。それをuniversal clipboardを用いてiMacに転送。そしてDeepLにそれをペーストして翻訳してやれば、無い英語の知識を振り絞って、英文と格闘しなくても、英語の本を日本語で読む事が出来るという訳だ。

個々の機能はシンプルなものだが、それを組み合わせて使うと、実に画期的な作業がこなせてしまう。

幾つかの設定が必要なようであったので、確認してみると、何と!私は既にその設定を全てクリアしてあった。準備だけはできていたのだ。

早速Ernst Mayerの”What evolution is”を訳してみた。


DeepLが優れているとは聞いていたが、これ程の実力を持ったサイトだとは思っても見なかった。まだ最初の数ページしか訳していないが、テクニカル・ワードもなんのその。分かり易く整った日本語で翻訳されて出て来たではないか!

エルンスト・マイアーは進化論の分野で、総合説という学説を一人で立ち上げてしまった重要な人物なのだが、今のところ1冊も本が翻訳されていないという厄介な存在だったが、これで全く恐れる事は無くなった。

背伸びして、購入してある英文の本は何冊もある。この方法を使えば、殆ど死蔵されていたそれらの本がいよいよ生きて来る。

調子に乗ってGoetheの”Faust”もこの方法で開いてみた。ドイツ語も英語と遜色ない品質で日本語に翻訳してくれることが分かった。

DeepLは28言語に対応している。それだけあれば、何語の本であっても、十分対処する事が出来るだろう。

情報の入口が画期的に拡がった。

細々とした作業はあるが、それを含めて、今迄の3倍から5倍くらいのスピードで外国語の本を読む事が出来るようになった。

森哲平さんも放送の中で仰っておられたが、日本語に翻訳された外国語の本は高い。更に日本語の本は紙媒体とKindleの差がさほどないのに比べ、外国語の本は、紙媒体の本よりKindleで購入した方が半額近い値段で入手出来る。これなら外国人の本は原語の本を購入した方が圧倒的に経済的でもある。

これは大袈裟でなく、私の生活をガラリと変える、革命的なテクニックだ。

他にも森哲平さんのStand.fmは役に立つライフハックで満ちている。話に聞くところでは、この放送、あまり聴かれていないらしい。

勿体無い。

このブログもさほど役に立つ程には読まれていないが、皆さん!もっと森哲平さんの放送を聴こうではありませんか!

20220712

いきなりJazz

実を言うと少々古楽に飽きが来てもいたのだ。

しかし驚いた。いつものようにSpotifyでPlay Listを朝から聴いていたのだが、そんな心の隙を見透かしたように、今日のDaily Mix 3はいきなりずらりとモダン・ジャズを並べて来た。


並んでいるのはキース・ジャレット、チャールズ・ミンガス、マイルス・デイヴィス、セロニアス・モンク、ジョン・コルトレーン等。

元々Jazzは嫌いな方ではない。高校生の頃はジャズ喫茶に入り浸って、これらのジャズマンの演奏に耽溺していた。

そうした私にとって、このラインナップは文句の付けようが無い。

しかし、最近6年程はSpotifyで古楽ばかりを聴いてきた。他のジャンルの曲を聴くときはYouTubeかCDを音源にしていた。

SpotifyのPlay listは元々、リスナーの好みをAIを用いて分析し、そこから似たようなジャンルの音楽を選択するという仕組みになっている。

折角Play listが古楽一色になってくれたのが勿体無くて、少なくともSpotifyでは古楽以外の音楽を聴いた事はない。古典派以降のクラシックすら避けて来た程だ。

なのに何故ここに来てJazzになったのだろうか?

心当たりがあるとすればヤン・ガルバレイクがザ・ヒリヤード・アンサンブルと共演した曲を聴いた事しかない。

これを切っ掛けにSpotifyが古楽からいきなりJazzに切り替えて来たとするならば、余りにも大胆なチャレンジと言う他ない。

突然鳴り始めたJazzに、最初は戸惑い、Play listを切り替えようかとも思い、まあ待てと耳を傾ける迄数分。気持ちを若い頃のままに切り替えると、やはりJazzはこれはこれで十分に良い。

50曲4時間49分を、すっかり堪能してしまった。

しかしSpotifyはなんのデータも与えていないのに、どの様にして私の好みのジャズマンを割り出したのだろうか?そのアルゴリズムを何とかして知りたいものだ。

もうすぐSpotifyのサーヴィス期間が終了する。またコマーシャル付きのfreeプランに戻さねばならない。その時が来たらと思っていたのだが、Spotifyの方から方針を変更して来たのであれば、それに乗って、そろそろ古楽一辺倒から卒業しても良い時節なのかも知れない。

20220704

涼しくなって読書復活

一時はこのまま再起不能かと不安に駆られた。

暑さと鬱が重なり、本を3日間で10ページ程しか読み進める事が出来なくなった。余りの不甲斐なさに吐き気すら覚えた。

読んでいたのがハンナ・アーレントの『革命論』だった事も、読書が進まなかった理由のひとつだったのだろう。


この本は志水速雄訳で『革命について』と題してちくま学芸文庫から出版されていたものを、森一郎がドイツ語版からの新訳として出版されたものだ。

ハンナ・アーレントは英語では難解だが、ドイツ語では筆が走り過ぎる。そう良く言われる。だが、私にはドイツ語版からの翻訳でも、十分に難解だった。序論と第1章までは快調だったのだが、第2章から難渋し始めた。

とにかく進まない。そして意味を掬い上げるのにひどく苦労する。同じ箇所を3、4回読んで、ようやく文意が理解できるという有様だった。

いつも聴いているNHK・FMの『古楽の楽しみ』が5:00からの放送になった。その為、遅くとも4:30には起床する事にしている。それもあって昼間になると、ぐったりと疲れてしまうようになった。解消する為に午睡を必要とするようになった。

2、3時間の午睡で疲れと眠気は取れるが、その分だけ読書に充てる時間は減る。遅い読書が更に遅くなった。

4号颱風アイレーが接近しつつある。その影響もあるのか、今日になってかなり暑さが緩んだ。最高気温でも30℃に届かない程度で、朝のうちは肌寒さすら覚える程だった。

相変わらず鬱は去らない。なので完全復活と迄は行かないが、午前中の読書では第3章をそれなりのペースで読み進める事が出来た。

嬉しかった。

今日常生活でやっている事と言ったら、古楽を聴く事と本を読む事くらいだ。そのうち読書が再起不能になったら、私の人生は目も当てられない事になってしまう。

他に望む事は何もない。どうかあの猛暑の復活だけは、何とかして避けてもらえないものだろうか?

9日には通院と同時に、県立・市立両図書館へ図書の返却と借り出しに行かねばならない。ハンナ・アーレント『革命論』は、延長で借りる事になるだろう。だが、先に読んでおきたい本も借りてくるので、また一旦中断する事になるだろう。

だが、伊達に何度も読み返しをしている訳ではない。今迄読んだ箇所は何とか覚えている。

要は慌てない事だ。この本はハンナ・アーレントの主著のひとつに数えられている。読み飛ばしてしまっては勿体ない。時間をかけて、じっくり取り組んで行こう。

私は読書のペースが少し取り戻せたので、すっかり気を良くしているのだ。