一時はこのまま再起不能かと不安に駆られた。
暑さと鬱が重なり、本を3日間で10ページ程しか読み進める事が出来なくなった。余りの不甲斐なさに吐き気すら覚えた。
読んでいたのがハンナ・アーレントの『革命論』だった事も、読書が進まなかった理由のひとつだったのだろう。
この本は志水速雄訳で『革命について』と題してちくま学芸文庫から出版されていたものを、森一郎がドイツ語版からの新訳として出版されたものだ。
ハンナ・アーレントは英語では難解だが、ドイツ語では筆が走り過ぎる。そう良く言われる。だが、私にはドイツ語版からの翻訳でも、十分に難解だった。序論と第1章までは快調だったのだが、第2章から難渋し始めた。
とにかく進まない。そして意味を掬い上げるのにひどく苦労する。同じ箇所を3、4回読んで、ようやく文意が理解できるという有様だった。
いつも聴いているNHK・FMの『古楽の楽しみ』が5:00からの放送になった。その為、遅くとも4:30には起床する事にしている。それもあって昼間になると、ぐったりと疲れてしまうようになった。解消する為に午睡を必要とするようになった。
2、3時間の午睡で疲れと眠気は取れるが、その分だけ読書に充てる時間は減る。遅い読書が更に遅くなった。
4号颱風アイレーが接近しつつある。その影響もあるのか、今日になってかなり暑さが緩んだ。最高気温でも30℃に届かない程度で、朝のうちは肌寒さすら覚える程だった。
相変わらず鬱は去らない。なので完全復活と迄は行かないが、午前中の読書では第3章をそれなりのペースで読み進める事が出来た。
嬉しかった。
今日常生活でやっている事と言ったら、古楽を聴く事と本を読む事くらいだ。そのうち読書が再起不能になったら、私の人生は目も当てられない事になってしまう。
他に望む事は何もない。どうかあの猛暑の復活だけは、何とかして避けてもらえないものだろうか?
9日には通院と同時に、県立・市立両図書館へ図書の返却と借り出しに行かねばならない。ハンナ・アーレント『革命論』は、延長で借りる事になるだろう。だが、先に読んでおきたい本も借りてくるので、また一旦中断する事になるだろう。
だが、伊達に何度も読み返しをしている訳ではない。今迄読んだ箇所は何とか覚えている。
要は慌てない事だ。この本はハンナ・アーレントの主著のひとつに数えられている。読み飛ばしてしまっては勿体ない。時間をかけて、じっくり取り組んで行こう。
私は読書のペースが少し取り戻せたので、すっかり気を良くしているのだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿