私の事だから二束三文で購入したに違いない。
amazonにアルノ・グリューンの『人はなぜ憎しみを抱くのか』を出品した日の事を、私はまだ覚えている。なぜかこの本に高値が付き、あれよあれよと言う間に、法外な値段で古書が取引されるようになっていた。私は面白半分でそれに便乗し、蟻書房という名の古書店をでっち上げ、他の出品者より若干安めに値段を付けたのだ。
それでも購入した時の10倍以上の値段になった。
売れればもっけの幸い。売れなくても何ら問題はなし。私の構えはそうしたものだった。
その後この本の値段は、次第に落ち着き、古書も納得出来る値段に下がった。
そうなるとこの古書が売れる見込みはまずないと思えるようになった。しかし、一旦付けた値段を補正する事も出来ず、蟻書房唯一の出品は、放置されるままになっていた。
昨日(15日)の午後、一通のメールが届き、私はそれを見て驚愕した。
売れたのである。
自分でも法外な値段だと思っていた古書に、買い手が付いたのである。
驚いて、次に思った事は、面倒な事になったな、と言う思いだった。
売れる予想は全くしていなかった。なので、本を発送しようにも、その準備は全くしていなかった。
慌ててクロネコヤマトに自分のコーナーを作り、配送の手配を始めた。
探してみると適当な大きさのエア緩衝材が1枚ある事が分かった。それに件の本を入れ、納品書も同封して梱包。今日(16日)の朝イチで無事、古書を発送する事が出来た。正直ホッとした。
ひと段落して思うのはやはりなぜ今頃になって売れたのだろうか?と言う疑問である。
また法外な値上がりがあったのだろうか?
だが、私がもしそうした本を見つけたとしても、取る手はひとつだけだ。値下がりする迄待つと言うものだ。まさか売れるとはなぁ。
0 件のコメント:
コメントを投稿