丁寧な指南書だと思う。但し中・上級者向け。
対象となる読者は、語りの文体の基礎練習として考え方や論点や練習問題を求める、物語の書き手たちである。
とある。
豊富な引用と練習問題が用意されている。だがその練習問題。かなりレベルが高いのだ。
片端からトライしてみたが、正直言って満足出来る解答を得たと自負出来るものは極めて少なかった。
論点は
・言葉のひびき
・句読点、構文、語りの文と段落
・リズムと繰り返し表現
・形容詞と副詞
・動詞の時制と人称
・声(ヴォイス)と視点(POV)
・直接言わずに語ること、どれだけの情報を伝えるか
・詰め込み、跳躍、焦点、制御
どれも書く上で重要な要素だが、これは文章を読む上でも十分に参考になる視点であり、要素だと感じた。非常に参考になった。
少なくとも今迄無自覚に近かった文章に対する姿勢が正され、書く事、読む事に一大革命をもたらせてくれた。この本を読む前と読んだ後で私の書き方・読み方は大きく変わった。
残念だったのは、この本を独りで読まねばならなかった事だ。
ワークショップを念頭に書かれている。
それ故、回答者は仲間と互いに論評し、議論する事が求められている。
今回、それは叶わなかった。
そうしたワークショップを体験できれば、参加者は格段に進歩する事が出来るだろう。
この本をきっかけにして、最も変わったのは、自分の文章を、声に出して読む習慣が出来た事だ。それをする事によって、自分の文章のひびきに対して、驚く程自覚的になれた。
読み終えて、まず最初にした事は、H.Hesseの詩を、朗読する事だった。


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