ベートーヴェンにこんな曲があるとは知らなかった。
ベートーヴェン:「なくした小銭への怒り」
いや、知らないはずだった。
だが、この曲、子供の頃確実に聴いたことがある。
多分、ピアノを習っていた友人経由で聴いたのだと思う。
だが、小学生が弾いていたのだろうか?聴いた限りではこの曲、結構難しい。
調べてみると、どうやらベートーヴェン自身が付けた題名ではないようだ。
正式な題名は『Rondo a capriccio Op.129』-「ロンド・ア・カプリッチョ ト長調」と言う。
有名な表題《奇想曲の中へぶちまけた、なくした小銭への怒り》は、第三者が自筆譜に書き込んだもので、ベートーヴェンの命名ではない。との事。
しかし、これでようやくNAXOSが延々と連載している漫画の意味が分かった。
WEB4コマ劇場「運命と呼ばないで」~Op.3「失われた小銭のゆくえ」~
今迄単なるギャグだと思っていた。この曲が背景にあったのだ。
この漫画マイナーだと思うのだが、それでは勿体ないほどベートーヴェンに詳しい。
逆に詳しくないと分からない部分が多い。
WEB4コマ劇場「運命と呼ばないで」特設ページに最新作と今迄の作品へのリンクがあるので是非読んでもらいたい。
この曲をFacobookやtwitterで広めていたらhugujoという方からこんな曲を紹介された。
Ludwig van Beethoven - Der Kuß Op. 128
ベートーヴェンってときどき「これモーツァルトの役目じゃないの?」みたいなおふざけ(?)をしますねとあった。
このtweetがなかったら、例え偶然にこの曲に辿り着いても詩の意味を探ろうともしなかったろう。
Christian Felix Weisse (1726-1804)という詩人が作った詩に晩年のベートーヴェンが曲を付けたものだ。
Ich war bei Chloen ganz allein,
Und küssen wollt ich sie:
Jedoch sie sprach,
Sie würde schrein,
Es sei vergebne Müh.
Ich wagt es doch und küßte sie,
Trotz ihrer Gegenwehr.
Und schrie sie nicht?
Jawohl,sie schrie,
Doch lange hinterher.
ぼくはクロエのそばで全くのふたりきり
それで彼女にキスしようとした。
だけど彼女は言った
キャーって叫ぶから
しようとしても無理よって
それでもぼくは思い切ってキスしたんだ、
彼女の抵抗をものともせず
で、彼女は叫ばなかったのかって?
もちろん、彼女は叫んだよ
でもずっと後でね。
確かにまるでモーツァルトだ。