「a little boy, walking on the sand」にもしたかったのだ。
前のエントリで採り上げた玉井夕海さんのCD「ales」の最後を飾る曲の題名だ。
この曲を聴く度に浮かんでくる絵画があった。
それが誰の絵であって、何と言う題名なのか分からず、ずっともやもやした気分を抱えていたのだ。
今日、保存してあったかつての掲示板『夏の扉へ』(この題名は最初は今はない掲示板に付けられた題名だった)の膨大なデータを探し回り、画像検索してようやく誰の絵かが分かった。
Andrew Wyethだ。
絵の題名は「Wind from the sea」
a little boy, walking on the sand
2013.1.31/16:14
まるも喫茶
白い部屋に吹く風よ
祈る者を護れ
目を覚ました蝉が鳴き
命終えるその日さえ
白い部屋に吹く風よ
恋するものにそよげ
赤らむ頬隠すように
束ねた髪を揺らして
海は遠くない
海は遠くない
小さな足音に導かれるままに
白い部屋に吹く風よ
戸惑う者を赦せ
静かに波打ち寄せる島の浜辺を濡らして
白い部屋に吹く風よ
抗う者を労れ
黄金に染まる稲穂が身を寄せ合い
倒れるように
海は遠くない
海は遠くない
小さな足音に導かれるままに
この詩には賛美歌のような曲が付けられている。
松本にある温石の白い部屋で、玉井夕海さんの唄を聴けたことは幸運だった。その部屋は、私にはこの歌に歌われている白い部屋のように思えるからだ。
そして、そこに吹く風は、紛うことなくAndrew Wyethの絵の中に吹く風そのもののように私には思えるのだ。
Andrew Wyethはこの風を、他の作品でも吹かせている。
Day dreams
白い部屋は、そしてそこに吹く風はこの絵の風であっても良い。
この絵を見ると、私はどうしても別の絵を連想してしまう。
仮収容所
まるでDay dreamを逆側から見ているような絵だ。しかし、この絵には風は吹いていない。
Andrew Wyethの絵は、歳を取るにつれて暗い画風に傾いていった。
仮収容所のためのデッサン
全く関係はない事は分かっているのだが、この絵に私はどうしても玉井さんの詩のなかにある「目を覚ました蝉」を連想してしまうのだ。
目を覚ます前の蝉と言った方が正確だろう。
そこには敬虔な祈りがある。
絵画や歌は祈りに捧げられている。
玉井夕海さんの歌は、私にAndrew Wyethの絵画を連想させる。
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