東洋文庫読者倶楽部というものが出来た。
Twitterで知り、早速入会。その後、音沙汰がなく、どうしたのだろうと思っていた。
昼に郵便受けをチェックしに行った。どうせ何も届いているものは無いだろうと高を括っていたのだが、郵便受けからはみ出す本の様な形状を持つ封筒が目に付いた。
何だろう?
封筒には平凡社と書かれていた。
この段階では分からずにいた。開けてみて、「あ!」と声を出した。
根強い人気がある文庫だ。私が入会したのもかなり後だろうと半ば諦めていたのだが、先着300人に滑り込む事が出来たようだ。
縦書きの罫線だけが入っている、何も書かれていない東洋文庫を手に入れる事が出来た。
何に使おうか?それを思い巡らすだけでも愉しい。
東洋文庫は1963年に創刊され、今年10月で50周年を迎えるのだそうだ。
創刊時は
『楼蘭─流砂に埋もれた王都』『唐代伝奇集1』『鸚鵡七十話─インド風流譚』『日本史1─キリシタン伝来のころ』『アラビアのロレンス』の5点。偶然だがすべて所有している。
かなり渋いラインナップだ。
グラフィック誌「太陽」も同年63年6月の創刊。
「どちらも当時は実に売れなかった」とは荒俣宏さんの証言。
今も爆発的なベストセラーがここから出るとは思えない。
だが、確実にファンは存在する。
かく言う私がそのうちのひとりだ。実にお世話になった。
装幀は原弘(はら・ひろむ)氏によるもの。いつ迄も触っていたくなる飽きの来ない装幀だ。
なので私だけのものになるのであろうこのマイブックが当たった事は結構嬉しい。
難点を挙げれば東洋文庫は高い。
買う時はやはり身構えてしまう。
そしてかなり難しい。
やはり身構えてしまう。
けれどいつ迄もファンでありたいと思う。
地味だが、マイブックと一緒に付いて来た東洋文庫の解説目録も結構嬉しい。これと年2回送られてくると言う「東洋文庫通信」でほぼ完璧なチェックが出来る。
「日本も含めた「基層アジア」「民族アジア」「周辺アジア」「交流するアジア」を描き続ける「アジアのエスノグラフィ(ethnography)」への─完結しない「未完のプロジェクト」」(「東洋文庫通信」)をこのまま見守りたいと願うのだ。
音楽もそうだが、エスノグラフィもまた途方もない大海だと感じる。
しかし大海に漂う一艘の小舟であり続ける事は、幸福のひとつの形態だと私は思う。
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