方々から初冠雪の報せが舞い込んできている。季節は移り変わっているのだ。
まだ1年経っていない。
しかし、また一区切りを無事迎える事が出来た。
このような季節の中で、私は次第に断煙への決意を固めつつあったのだ。
断煙してから350日が経った。
吸うはずだった煙草の本数は7,000本に上る。凄まじい本数だ。
繰り返しになるがまだ1年経っていないのだ。
得したタバコ代は154,000円。
かつては(もっと本数を吸っていたが)タバコ代は安かった。仮に1年で15万とすると、40年吸っていたので600万円になる。
車が買える。それもかなり良いのをだ。
それだけの金額を私は灰にして来たのだ。あの赤貧洗うがごとき状況の下で。
もう煙草を吸う事は考えられない事だ。あり得ない。
ようやくここ迄来た。
余談では済ます事が出来ない事だが、母の家の隣の家が火事になった。
一時は母の家の中まで煙が入って来て、母は知り合いの家に避難する騒ぎになったが、幸いな事に誰も被害に遭わずに済んだ。
何よりも火元でなく、そして類焼もなかった事は良かったと感じる。
このような事があると煙草を止めておいて良かったとつくづく感じるのだ。火事の原因の、それも件数が多い原因のひとつを予め断つことが出来たと言う事だ。
これは大きな成果だと思う。
もし止めていなければ私はこの1年で583時間もの時を、ベランダに坐って過ごしていたのだ。
それだけでも途方もない数字だと思う。
最初から吸わなければより良かったのだがそれはもはや考えても仕方のない事だ。兎に角、ひとつの大事業を成し遂げたのだと考えた方が良いだろう。
1年経たない今、積み重ねられた数字の大きさに圧倒されている。
確かに大事業だったのだ!
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