既に旧版は読んでいる。その時も図書館から借りて読んだ。
この度完全版が出ると聞いて、取るものも取りあえず、図書館にリクエストを出した。だが不安もあった。県立・市立共に旧版が既にあるのだ。買ってもらえるのだろうか?
どうにか買って貰えるようだと分かって、その時は欣喜雀躍した。
この程借りて来て、今日(2月4日)上巻・下巻共読み終えた。
やはり、圧倒された。
読んでいて、旧版の記憶が意外と残っている事に驚いた。それと比べると、構成構想には変化はないものの、相当手がが加えられている事が分かった。
完全版は十分に読む価値のある版だった。細かなところ迄、気を配ってあって、完成度が、旧版より、遙かに高いのだ。
嬉しいのは、いつか読む心算でいた「『薔薇の名前』覚書」が、巻末に添えられていた事だ。ウンベルト・エーコの創作の秘密が、本編を読んですぐ明らかにされるのだ。ファンにとって、これ程嬉しい事はない。
読んでいて、旧版で気が付かなかった事にも、多数気が付いた。作者はこんな所まで、気を配って、創作しているのかと、何度も驚かされた。
無論、読書量の不足から、まだ気が付いていない仕掛けも多数あるに違いない。それを思うと、やはり悔しさが滲む。
何よりも、キリスト教の教義を全くと言って良い程理解していない事が悔やまれる。
だが、そうした事を悔しがれる程、今回は読解できたのだと思えば、少しは気が休まると言うものだろう。
『薔薇の名前』は、今回の読書体験で、より一層、私にとって大切な本になった。


