大変貴重な映像です。是非ご覧下さい。
脱原発への第一歩 ショウナウでの取り組みから
その街に、「緑のノーベル賞」とも言われるゴールドマン環境賞が与えられました。
"Grüner Nobelpreis" für die Mutter der Stromrebellen
Ursula Sladek
1986年、「黒い森」にあるこの町にもチェルノブイリの雲はやって来ました。多くの市民、特に小さな子供を持つ親たちは不安を感じたようです。
「外で子供を遊ばせてもいいの? 母乳は? それとも事故前に製造された牛乳の方が安全?」今の日本と同じです。
10人の親が「原子力のない未来を求める親の会」を結成しました。
中心人物であるUrsula Sladekさんは5人の子供を持つ母親でした。
「以前は政治にもエコにも興味はなかったけど、自分の子どもの未来を考えたら…」
活動が始まった90年代初め、Schönauでは、街にそれまで電力を供給していたラインフェルデン発電所とさらに20年間、電力供給の独占を延長する契約の更改が迫っていました。当初、ラインフェルデン発電所の基本料金設定は電力を多く使用した方が得という仕組みだったため、市民は省エネをした方が得となるよう余剰電力の買い取りや比例料金体制の導入を訴えたのですが、発電所はそうした取り組みに冷淡な対応を取り、原子力使用の廃止にも興味を示しませんでした。
これも現在の日本と似ています。
そこでSladekさんら市民たちが考えた対抗策は、市民がお金を出して独占契約を買い取り、自らの手で市民所有の水力、太陽光、天然ガス、再生可能エネルギーによるエコ電力会社を作ることでした。
ドイツの歴史上初めて実現されたこのプラン。1997年に創立されたEWS - Elektrizitaetswerke Schoenauは、社員40人弱という小さな会社ながら、いまでは全ドイツ、10万を超す顧客に原子力と石炭フリーのエコ電力を供給する会社に成長し、新たな電力供給プランとして注目を浴びています。福島第1原発の事故の後、通常の10倍以上の問い合わせが殺到したそうです。
旧い友人がノーベル賞を貰ったような、嬉しい気分です。
やれば出来るんです!
Sladekさんは語ります。
「私たちは、のんきで、あまり後先考えずに行動してしまったから、逆に実現できてしまったのかもしれないわ」
以上自分のエネルギーは自分で決める! 独シェーナウがめざすもの より引用。
素晴らしい行動力と持続力を感じました。