20240720

ダリ版画展

長野県立美術館で開催されている、ダリ版画展「奇想のイメージ」を観に行って来た。


この展覧会、入場料が一般で1,400円掛かる。だが私は身体障害者なので、私自身と付き添い一人が入場無料になる。この制度を使わない手はなかろう。

ダリは大好きな画家だ。中学から高校に掛けて、強く影響され、ダリ風の絵を何枚も描いた。だが、当時私が観ていたのは、主に油絵であり、ダリの版画をまとまった形で鑑賞するのは、今回が初めてだ。


ダリが版画に本格的に取り組んだのは、50代後半かららしく、生涯に1,600点余りの作品を残している。今回の展覧会では、1960年代から70年代に精力的に制作された版画を中心に、晩年に掛けて制作された200点余りの作品が展示されていた。

そこには地平線、やわらかい時計、蟻など、ダリ得意のテーマがふんだんに展開されており、ダリファンとしてはそれだけで心踊るものがあった。

用いられている技法としては木口木版を始めとして、エッチング、リトグラフ、ステンシル、エングレーヴィングと幅広く、ダリの版画に対する態度が本気だった事を、十分に伺わさせるものだった。

最初に陳列されていたのは、ダンテ『神曲』からインスパイアされた作品全点で、地獄篇はあくまでもおどろおどろしく、煉獄でベアトリーチェと出逢うシーンはあくまでも感動的、そして天国篇は途方もなく清らかと、ダリのイメージ力がふんだんに発揮されていた。

ダリと言えばなんと言ってもシュルレアリスムだが、その技法を惜しみなく発揮している作品群がその後に続く。

だが、場内の静けさに圧倒されて、私も笑い出さなかったが、かなりウィットに富んだ、ユーモア溢れる作品も多かった。ダリはゲラゲラ笑いながら観るのが、正しいと私は思う。

難を言えば、展示の仕方が、迷路の様に複雑で分かりにくく、私たちは危うく一部屋分の作品を見逃しそうになった。

朝の涼しいうちにと、やや早めに出掛けたのだが、200点と言えど、展覧会は充実しており、3時間半があっと言う間に流れ過ぎた。

だが、流石にダリは鑑賞に体力を使う。観終わった後、昼食に向かったのだが、その間、両足が攣った。

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