夏の扉へ
Wir sollen heiter Raum um Raum durchschreiten, -H.Hesse-
20151125
『断片的なものの社会学』
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不思議な本だ。何一つ主張していない。しかしその文章は、どこか人を捕らえて離さない魅力に満ちている。 岸政彦『断片的なものの社会学』を読んだ。路上のギター弾き、元風俗嬢、元ヤクザ…。様々な人が登場する。様々な人生が語られる。それを丹念に描写している。だがそれらのどれひとつとし...
20151122
『近代科学再考』
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出会うのが2、30年遅かった様に思う。大学に在籍していたときこの本を読んでいたら、もっとのめり込めたかも知れない。 今私は自然科学から少し距離を置いたところで生きている。 それ故、科学と社会の関係やその歴史について、それ程切実な問題意識を持てずにいる。かつてそれと深く関係した...
20151112
『私の1960年代』
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山本義隆という人物を語る上で、元東大全共闘代表という貌はやはり外せまい。その山本義隆が60年代をついに語るという。これは読まねばなるまい。 勢い込んでこの本、山本義隆『私の1960年代』を読んだのだが、軽い肩透かしを食らったような気分に、途中で数回なった。 目当てにし...
20151110
『帰還兵はなぜ自殺するのか』
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この本、デイヴィッド・フィンケル『帰還兵はなぜ自殺するのか』には、戦争のもうひとつの貌が描かれている。 兵士たちは英雄になって帰ってきたように見える。しかし目に見える身体的な損傷はなくとも「内部」が崩壊した兵士たちが大勢いる。妻たちは「戦争に行く前はいい人だったのに、帰還...
『私家版・ユダヤ文化論』
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養老さんが推すだけのことはある。そう思った。よく考えられている。どれだけ理解出来たかは甚だ心許ないが、緻密でダイナミックな思考がとんでもない深さで展開されていることは分かった。 ユダヤ人という人びとが存在して、彼らは歴史的にも現実的にも差別されている。このことを私たちは漠然...
『九月、東京の路上で』
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1923年9月1日(土)午前11時58分、神奈川・相模湾から房総半島南端にかけての一帯を震源とする、M7.9の地震が、関東地方を襲った。関東大震災である。 この関東大震災は地震による直接の被害の他に、地震直後に発生した火災による被害が甚大であった。 しかし、忘れてはならな...
『「対米従属」という宿痾』
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随分読んだ本を溜め込んでしまった。大急ぎで感想をまとめておきたい。 ガバン・マコーマック/乗松聡子『沖縄の〈怒〉』の第5章は「鳩山の乱」と題されており、鳩山由紀夫が総理大臣として、対米従属とその既得権益に対して挑戦し、挫折した経過を追っている。本書『「対米従属」という宿痾』...
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