夏の扉へ
Wir sollen heiter Raum um Raum durchschreiten, -H.Hesse-
20251005
ショスタコーヴィチ
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亀山郁夫『ショスタコーヴィチー引き裂かれた栄光』 辛辣な題名だが、著者亀山郁夫はショスタコーヴィチに、限りない愛情を込めて、この本を執筆している。 その偏愛の蜘蛛の巣を、払い除けながら読んだ為、非常に時間が掛かった。 私はショスタコーヴィチを好んで聴く方ではない。彼の音楽に付き纏...
20250909
少女たちの戦争
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優れた文集である。 この本は、1941年12月8日の太平洋戦争開戦時に、満20歳未満だった女性たちによるエッセイを、著者の生年順に収録したものだ。その数は総勢27名に上る。 そのうち最年長は1922年5月生まれの瀬戸内寂聴さんで当時19歳。最年少は1938年6月生まれの佐野洋子さ...
20250827
「私」は脳ではない
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還元主義が大流行りである。 人間を含めた生物の事であれば、遺伝子か脳に還元すれば型が付く。そうした論調が、世の中に溢れ返っている。 正直に告白すると、私も一時そうした時勢に相乗りしようとした事もある。だが、そうした考え方で物事を割り切って行くと、どこか心に隙間風が吹く。 どうして...
20250822
オーウェルの薔薇
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実はこの本、一度頓挫している。 2年半前に読み始め、1/3くらいで読むのをやめてしまったのだ。 理由は面白くなかったなのだが、他にも私はオーウェルとオーソン・ウェルズを取り違えており、話の脈略が分からなくなってしまった事がある。 オーソン・ウェルズの『市民ケーン』には、薔薇の蕾と...
20250812
薔薇の名前
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遂に読んだ。読み切ってしまった。今、強烈な読後感に圧倒されている。 ウンベルト・エーコの代名詞とも言える小説『薔薇の名前』を読破した。 今住んでいる団地に引っ越して来る前、私はこの作品を所持していた。けれどその存在感に負けて、少し読み始めては敗退するを繰り返していた。 そのうちに...
20250805
方丈記
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1日だけ、空きが出来てしまったので、すぐ読めるであろう薄さの『方丈記』を選んだ。 詩人蜂飼耳が、現代語訳に挑んだ光文社古典新訳文庫の版だ。 原典でも、『方丈記』は全文を読んだ事はない。有名な(有名過ぎるのだ)冒頭の部分と、そこから少しだけはみ出す範囲まで読んで、後は投げ出していた...
20250803
テアイテトス
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腰巻きに「プラトン哲学対話の最高峰!」と謳われている。まだ読んでない。 これは読まねばなるまいと、意を決して読み始めてみた。 老ソクラテスが、10代の天才数学者テアイテトスを相手に、「知識(エピステーメ)」とは何かについて、論じ合った哲学対話だ。 「知識」や「知」については、考え...
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