夏の扉へ

Wir sollen heiter Raum um Raum durchschreiten, -H.Hesse-

20260824

きけわだつみのこえ

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1969 年の事だから小学 5 年生だったと思う。思春期の嵐が始まろうとしていた。ひとつの NWES が私の心を捉えた。 立命館大学広小路キャンパスで、学生運動のグループが「わだつみの像」を破壊した。当時の私はわだつみの意味も知らず、その像がどの様な経緯で建てられたのかも、そして...
20260821

日本中世の畠作と雑穀

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木村茂光『日本中世の畠作と雑穀─「水田中心史観」批判』。 緻密な論考である。 さして強い動機も論拠もなく、私は「水田中心史観」を信じて来た。本書はその「誤った思い込み」を一刀の下に両断してくれた。まさに目から鱗の本である。 筆者によれば、日本の農業が本格的に稲作一辺倒になったのは...
20260817

歴史学者、ガザに潜入する

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後 4 か月以上あるが、この本は今年読んだ中で、ピカイチのルポということになるだろう。 著者ジャン=ピエール・フィリユは中東現代史を専攻する歴史学者である。このアイデンティティが自らをガザの地に身を置こうと誘(いざな)ったのだろうが、それを実際にやるのとやらないのとでは、天と地の...
20260812

読んでいない本について堂々と語る方法

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  警戒していた。 著者があのピエール・バイヤールだ。書いてあることを迂闊に素直に受け取っていたら、どんな痛い目に遭うか 分からない。 無論、素直に読んでも面白い。だが、だからこそ厄介なのだ。 最初に著者は「未読の諸段階」と称して、読書に対する禁欲的な姿勢を覗かせる。 曰く。 1...
20260809

ネアンデルタール

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レベッカ・ウラッグ・サイクスの『ネアンデルタール』。 原題は『親戚:ネアンデルタールの生活、愛、死、そして芸術』。ネアンデルタールを親戚と呼ぶ著者は、愛情深く細やかな視点から彼らの姿を描いている。 殆ど全てと言って構わない角度から、ネアンデルタールの生活史が述べられているのではな...
20260724

理不尽ゲーム

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奈倉有里さんが翻訳されている。 この本を選んだ理由は、そんなミーハーとも言える単純な動機からだった。 にも拘らずまたもこの様な救いの無い内容の本を引き寄せてしまうとは。私の選書はどこかが間違っているのだろうか? 理不尽ゲームとは、参加者が実際に体験した理不尽を、百物語の様に開陳し...
20260721

ファシズムの同時代性

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石田憲『ファシズムの同時代性ー誘惑するナショナリズム』 ファシズムの語源がイタリアにある事は知っている。そして日本のファシズムを語る上で、日独伊三国同盟は欠かせない。 だが、ドイツに関しては、知り過ぎている程知っているにも関わらず、事イタリアのファシズムは具体的にどの様なものだっ...
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