20081220

穏やかな土曜日

ひと月もBlogの更新をしなかった。

12月も下旬に差し掛かろうとしている。
ひと月前のエントリは初雪について触れている。だが、盆地部はもちろん全く雪がなく、山々の峰にも薄らと雪が付いているだけだ。大抵12月にもなれば真っ白になっている飯縄山も今年は殆ど雪がない。

この間、一度霙が降っただけで、概ね良好な天候が続いている。

市街地の本日の最高気温は12℃。まあこれは順当だろう。とは言え平年並みと言うのがそれ程当たり前な事とは限らない。気温は平年値を中心に、大抵大変高いか、大変低いかのどちらかである事が多い。平年並みの気温が続いている今年の冬は、むしろ異常気象なのかも知れない。

だが、この穏やかな日々ももうすぐ終わろうとはしている。この後北信濃はゆっくりと下り坂に差し掛かる。経済がではない。天候がだ。
経済の方は殆ど破綻していると言って構わないと思う。地方都市にいるとその危機感は差し迫ったものに感じない。けれど東京にいた頃の感覚を思い出してみると、この地に移住して来た頃より一層厳しいものになっている。

この頃ようやく、わたしは貧困層に属しているのではないか?と思い始めた。維持費が払えず、車を手放した辺りからその自覚は芽生え始めたのかも知れない。

ないか?なのだから、まだその自覚は浅いものと言える。まだ迷いがあるのだ。やはり貧困層とはもっと切実なものなのではないか?だが、貧困問題などを取り扱っている本などを読むと、わたしの年収は立派な貧困層のものだ。

このような年収の人間がコンピュータを持っていたり、本を増殖させているのは奇跡と言うより矛盾だ。…とは言え本を買う事も最近は随分控える様になった。もうこれ以上必要ないのではないか?と時々思いながらやはり購入してしまったりしている。

西原理恵子の『この世でいちばん大事な「カネ」の話』を買う。実体験だけに迫力がある。それにこの本は高度成長期にも貧困層はあったのだという立派な証拠になる。
日本やアメリカでは貧困問題は長い間忘れられていた。

貧困問題は格差の問題でなければ最近の話題でもなく、それ自体がひとつの国の失敗を示す、独立した問題だ。

だが、貧困層に属する事を自覚し始めた人間が、貧困の本を買ってどうする?

火曜日には雪が、いよいよ、予想されている。貧困問題をとりあえず放り出して布団を干す。

穏やかな状態は、そう長くは続かない。

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