20200509

田淵行男さん

Facebookやtwitterで #7日間ブックカバーチャレンジ という催しが行われている。
ひたすら書影を上げてゆくものらしい。

三中信宏さんが受け取ったバトンを、やりたい者がやれば良いと落として行ってしまった。その趣旨に賛同する。私がそれを拾い上げ、繋げる事にした。なので私もバトンを誰にも渡さない。やりたい者がやればいい。

考えてみれば、こうしたことは1年中やっている。違うのは今読んでいる本ではなく、遠い過去に遡って、自分の読書遍歴を披露することにあるのだと思う。

第1日目は田淵行男さんの『ギフチョウ・ヒメギフチョウ』を採り上げる事にした。
500円もあれば単行本が買えた高校生当時、そして、その500円を捻出するのにも苦労していた時代、12,000円のこの本を手に入れるのは、清水の舞台から飛び降りる思いだった。思い切った買い物だった。ギフチョウとヒメギフチョウの生態を知る切っ掛けを作ってくれたのは、確実にこの本だ。ギフチョウとヒメギフチョウの幼虫がその食草、カンアオイやウスバサイシンと見事なシンクロを見せている事を知ったのもこの本からだった。

ギフチョウとヒメギフチョウはその成虫の姿も美しいが、とりわけ、蛹の彫刻のような美しさに感銘を受けた事を覚えている。

以後、折に触れて田淵行男さんからは多大な影響を受けた。

引っ越しの時に、多くの本を手放してきた。だが、この本だけは売らず、手元に置き続けた。大切な本なのだ。

#7日間ブックカバーチャレンジの初日を飾るにふさわしい本だと思う。

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