20130129

『心的外傷と回復』を読む

Judith Lewis Herman, M.D.によるこの本を最初に手にしたのは2003年の事だった。図書館で借りた。読み始めてすぐ、借りた本ではとてもではないが読みこなせない本である事は分かった。そして、是非読みこなしたい本だった。だが高価い。

なかなか思い切りが付かず、ぐずぐずしていたのだが、たまたま本屋へ行ったところこの本があった。更にたまたま買うだけのお金を持っていた。

ようやく手にする事が出来た。

最初の部分を少し読んでみたのだが、久し振りに良い本を手にしたという実感がある。

要するにわたしは最近何もしていない。という事なのだろう。本の紹介ばかりしている。


精神医学・心理学関係の本が何故かわたしの本棚には多い。やはり自分自身のこころが不安なのだと思う。ところで、これらの分野、用語のややこしさは何とかならないものなのだろうか?

精神医学と心理学が別の学問である事は理解している。だが、対象は同じ人の心だ。…いや!違う、脳を科学しているとおっしゃる方も居るだろうが、心の問題は脳の問題だとわたしは思っている。

同じ対象に対して様々なアプローチがあって良い。だが、同じ精神医学や心理学でもその中でいろいろな学派があって、中には対立している事もあるのでややこしい。
少なくとも同じ現象は同じ用語で語ってもらわないといつまで経ってもその専門領域は専門家だけのものにしかならないように思う。

今回、これらの分野への学習を始めたのはacting outと外傷性転移とはどこが違うのか?或は同じなのか?それを第一に知りたかったのだが、辞典類を含め、この質問に明瞭な答えを与えてくれる本にまだ出会っていない。

これは些末な事。

この『心的外傷と回復』は非常に密度の濃い本だ。
だが、学術書の読みにくさはあまり感じない。訳が良いのか、或は作者の言葉の選び方が良いのか?多分その両方なのだろう。

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