夏の扉へ

Wir sollen heiter Raum um Raum durchschreiten, -H.Hesse-

20260710

悪童日記三部作

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  心地よい読後感などあろう筈もない。 それが分かっていて、何故読み続けるのか?私にはその理由が最後迄分からずにいた。ようやくそれが見えたのは、最終作『第三の嘘』を読み終える直前の事だった。リュカ(LUCAS)とクラウス (CLAUS)という互いにアナグラムになった名をもつ双子の...
20260707

文化の脱走兵

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慌てて読んでしまった自覚があったので、 2 度読み返した。 1 回目は、引用されている 詩が 印象に残ったものの、本文は殆ど味わえずに終えてしまった。 今回 2 度目で、ようやく落ち着いて読む事が出来た。 実直な方である。 その実直さがロシア文学に向いているのかも知れない。 表裏...
20260628

老年の価値

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 ヘルマン・ヘッセと共に生きて来た。その思い込みが強い。 世間には、ヘッセと言うと青春の作家と返ってくる偏見がある事は知っている。この私からして、ヘッセに強く心を奪われたのは中学 2 年の時だった。家にあった高橋健二訳の詩集に手を延ばし、余りにも深く私の心を知っている事に驚いて、...
20260616

ネクロポリティクス

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M.フーコーが従来の権力観を転倒させて唱えた生の政治学。それを更に転倒させて死の政治学と題したのは、現在世界中に死が充満しているという現実認識があるからだろう。 実際パレスチナやウクライナの例を引くまでもなく、世界の権力は、人民の死を軽々と増加させてしまっている。 著者アシル・ン...
20260606

ヴァレリー・セレクション

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苦手と言う訳ではないが、畏れていて手を出せずにいる作家群がある。 尊敬して止まない方に止められていた事もあり、ポール・ヴァレリーはその筆頭とも言える存在だった。ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインが意外に「読めた」ので、それに気を良くして本棚から『ヴァレリー・セレクション上・下』を...
20260603

薔薇のイコノロジー

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とことん調べ尽くされている。 人類は古代から花に様々な寓意を込めて来た。それは明らかな事。だがその実態はどうだったかは意外に明らかにされて来なかった。 著者若桑みどりは豊富な文献と作品の画像を駆使して、薔薇を中心として花の持つ寓意の実際を、個人、時代、そして洋の東西を越えて人類に...
20260529

ヴィトゲンシュタイン

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最初に『哲学探究』を手に取ったのは1週間前、22日の事だった。これと言った意図もなく、ただ図書館から借りて来たと言うのが動機だった。 だがちっとも分からない。かなり焦りを感じながらベージを繰った。 そのうちにどこが特に分からないかが見えて来た。ヴィトゲンシュタインの前著『論理哲学...
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