夏の扉へ
Wir sollen heiter Raum um Raum durchschreiten, -H.Hesse-
20260529
ヴィトゲンシュタイン
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最初に『哲学探究』を手に取ったのは1週間前、22日の事だった。これと言った意図もなく、ただ図書館から借りて来たと言うのが動機だった。 だがちっとも分からない。かなり焦りを感じながらベージを繰った。 そのうちにどこが特に分からないかが見えて来た。ヴィトゲンシュタインの前著『論理哲学...
20260518
3934km
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フアン・カルロス・ケサダス『1934lkm国境を越えて』。 3934kmは主人公ネコが国境を越える迄に旅した距離の総計。 旅の殆どを支配しているのは、想像を絶する、過酷な運命だ。 多くのラテン・アメリカの人々がより良い未来を求めて合衆国を目指して過酷な旅に身を投じている。彼らの殆...
20260515
エクソフォニー
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日本語とドイツ語の間を軽々と越境し続ける作家、多和田葉子の様々な言語を巡る思い巡らし。 夢は日本語で見るのか、ドイツ語で見るのかと、良く質問を受けるらしい。著者はその質問に不快感を隠さない。 日本語が本物なのかドイツ語が本物なのかと、人を試す様な質問だからだ。 どちらでも見る様だ...
20260513
あじさしの洲/骨王
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『あじさしの洲/骨王 小川国夫自選短篇集』 力みのない、奇を衒った表現も全くない、淡々とした日本語が綴られている。それでいながら、描かれている情景は鮮明で、独特の光沢を帯びている。 それが小川国夫の文学である。 私はこの本を読み始めて、一行目から、ぐいぐいと引き込まれる力を、感じ...
20260502
ファウスト
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面白い本は多いが、これ程の感動に包まれる読書体験は、人生の中でそう多くない。 ゲーテ『ファウスト』を、遂に読んだ。 今迄読んでいなかったのは、家にある本が柴田翔訳のもので、出来れば彼以外の訳で読みたいと思っていたからだ。 だが、図書館から借りた本は全て読み切ってしまった。この際と...
20260425
見えない都市
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危うく通り一遍の読み方をしてしまう所だった。 作者はイタロ・カルヴィーノである。何かを隠しているに違いないと思い返し、読み直して、おぼろげながら、主題のようなものを掴み取る事が出来たと思う。 それでもまだやはり何か見落としているのではないかという思いが消えない。 イタリアの商人マ...
20260420
侍女の物語
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呪文の様な、或いは沈黙にも似た、言葉が続く。翻訳を通しても、私たちはそれが、途方もなく美しい言葉たちである事を知る。 衝撃的な作品を読んだ。 マーガレット・アトウッド『侍女の物語』がそれである。 いつもの様に、私はそれを図書館で借りて読んだ。 千切れたスピン。草臥れたページが、こ...
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