夏の扉へ
Wir sollen heiter Raum um Raum durchschreiten, -H.Hesse-
20231231
第一部『苦海浄土』
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本を読む速度は遅い。だが、この作品は、意図的に、更に遅く、ゆっくりとしたペースを保って読んだ。 全集で読んでいる。石牟礼道子全集不知火では、この作品は、第二巻の第一部を構成する。今は第二部の『神々の村』を読んでいる。 通読してみると、『苦海浄土』は第一部『苦海浄土』、第二部『神々...
20231226
石牟礼道子と〈古典〉の水脈
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これは石牟礼道子の本ではない。石牟礼道子についての本である。 なぜこのような言わずもがなの事を書くかと言うと、この本を読んでいて、私は溜まらず何度も本を閉じてしまったからだ。 論考が杜撰なのではない。むしろ逆で、どの論考も石牟礼道子に対する愛情が溢れていて、しかも深く鋭い掘り下げ...
20231111
〈悪の凡庸さ〉を問い直す
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本書の前提になっている2冊の本がある。 1冊は言わずと知れたハンナ・アーレントの問題作『エルサレムのアイヒマン─悪の陳腐さについての報告』であり、もう1冊はそれに異を唱える形で出版されたベッティーナ・シュタングネトの『エルサレム〈以前〉のアイヒマン』である。 私はたまたまこの2冊...
20231108
セミコロン
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その存在は勿論知っていた。だが英語に初めて触れてから50年になるが、今迄英作文で、一度たりとも使った事は無い。それが私にとってのセミコロンだった。 本書の訳註にある通り、セミコロンはコンマより重く、ピリオドより軽い区切りの事だ。だが有り体に言って、その使い方は全く分かっていなかっ...
20231028
男同士の絆
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長い間積読状態にあった本をようやく読んだ。 クラスの男女比がほぼ1:1だったのは中学まで。高校は女子を受け入れ始めたばかりで、クラスに3人。大学・大学院は理系を選んだので更に女子は少なくなった。まさに男塊の中で過ごしていた私にとってホモソーシャルという概念は、必要にして欠くべから...
20230922
敗北を抱きしめて
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必読の書と言えるだろう。 言わずと知れたジョン・ダワーの第二次世界大戦後の日本を描いた歴史書である。以前この本は持っていたのだが、引っ越しに伴い売却してしまって、今回改めて図書館で借り、紐解いてみた。増補版とあるが、文章に取り立てて変更はなく、画像類の差し替えがある程度のものらし...
20230905
大規模言語モデルは新たな知能か
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最初のうちは驚いた。 そして、こんな面白いおもちゃがあるか!とばかりに使い倒した。 ChatGPTの出現だ。 何を聞いても答えが返って来るのだ。それもかなり自然な対話の形式で。 だが、村野四郎の『惨憺たる鮟鱇』の冒頭に掲げられている「へんな運命がわたしを見つめている」と言うリルケ...
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